アリさんとのお約束

ムラサキシキブがある

多摩の街で

幼い姉妹が

体温に近い炎天下を

全力疾走している

ご両親は

日陰のベンチにいる

補助輪のついた

ピンクの自転車が2台

あ~

さっきセブンの前に

止めてあったのだ

ピンクのヘルメットに

膝プロテクター

ケガをしないように

装備している

どれだけエネルギーが

あるのだろう

ずっと走っている

お母さんが

迎えに行って

ようやく日陰に入った

そこで聞こえてきた

妹の方の子の声

「アリさんアリさん

待って!

殺さないよ」

鳩を追いかける時も

「トリさんトリさん

待って~」

幼子には

命の壁が存在しない

 

そういえば

その日は

電車の中で

ベビーカーに

赤ちゃんを乗せた

ワンオペの親御さんを

多く見かけた

お話が上手にできるように

なったボクが

ベビーカーに乗りながら

キンキン声で興奮気味に

大声で話している

かわいんだけれど~

と思っていたら

お母さんが

「○○ちゃん

アリさんのお声で

話して」

すると

とても小さな声で

話し始めた

イメージしやすい比喩!

素晴らしい!

 

子供たちの中で

アリさんは

とても大事な存在

アリさんと大きくなるんだな

大きくなっても

アリさんのこと

アリさんとお話しできたこと

アリさんとのお約束

覚えていてね